PaoChai中国語独学完全マップ【最効率の勉強法】

中国語勉強法の詳細を全公開!20レベルに分かれた合計121のタスク(600時間)で最も効率的に本格的な中国語独学コンテンツ!やる気ある学習者を、中国語全くの初心者からコア能力完成(HSK最上級6級に合格目安)の地点までご案内します。

中国語「音読ジョグ」トレーニングマニュアル

「音読ジョグ(ジョギング)」とは、「1頁程度の中国語の文(以下、「中国語スクリプト」)」を100回声に出して読み、その中国語の養分を吸収し自分のものにするトレーニングです。

ただひたすら100回読むのは飽きてしまい続けるのが難しいので、(1)「音読」(2)「リピーティング」(3)「シャドーイング」を組み合わせ、さらにサイクル法というやり方でバリエーションをつけながら行います。

多くの新しい単語や表現を含んだ中国語スクリプトについて「音読ジョグ」トレーニングをすることで沢山の単語、フレーズ、文法を知識から“使える”技術に変えていきます。

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音読ジョグの目的

中国語を「話せる、聞ける」ようになるためには、「コア能力」が必要です。コア能力は「聞く」に関する①音声知覚、②意味理解、「話す」に関する③概念化、④文章化、⑤音声化と5つの総合的な能力です。詳しくはD001の図1をご覧ください。

音読ジョグではなんと、このうちの「概念化」以外の①音声知覚、②意味理解、④文章化、⑤音声化をバランスよく高めることができるトレーニングです。沢山の単語、フレーズ、文法の知識が“使える”技術に変えることが目的です。

音読、リピーティング、シャドーイングとは?

以下、それぞれの簡単な概要です。

(1)「音読」とは?

「音読」は、“構造と意味をしっかり把握”しながら中国語の文を声を出して読み上げることです。後ほど詳しく説明しますが、“構造と意味をしっかり把握”が肝となります。

(2)「リピーティング」とは?

「音読」と「リピーティング」「シャドーイング」とは似ていますが、一番の違いは前者が目で見て読み上げるのに対して、後者は耳を通じて中国語の文を理解し、それからその中国語の文を繰り返します。従って、聴き取り能力向上にも効きます。

リピーティングはリテンション(保持)とも呼ばれます。聴いて理解した中国語を、そのまま繰り返します。トレーニングとしてリピーティングを行う際は、中国語の読み上げ音声にポーズ(休止)が小刻みに入った音声を使用します(普通の音声をアプリ「Repete」で再生すればポーズを入れることができます)。

まず、モデルの中国語が1センテンス(あるいは1フレーズ)流れ、それを聴き取り理解し、ポーズの間にそのまま繰り返します。下の図のように行います。 

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 (3)シャドーイングとは?

シャドーイングは、リピーティングとは異なり、ポーズのない中国語の音を聴きながら少し遅れて同じ中国語の発音を繰り返すトレーニングです。オリジナルの中国語に影(shadow)のように従いついていくことからこの名があります。

母音と子音の発音・声調を磨くとともに中国語に対する反射神経を養ってくれますが、非常に集中力を要しますので、通訳養成学校でも一度に行うのは10分前後のようです。シャドーイングを行う際は、自分の声でモデルの声がかき消されないようにヘッドホンを使う必要があります。

注意点をいくつか挙げましょう。モデルの音声についていこうとして、単語の脱落や間違いが起こり、自分でそのことに気づかないということがよくあります。また、急ぐあまりイントネーションや区切りがめちゃくちゃになりがちです。また、なんども繰り返すと文を覚えてしまい、モデルの中国語の文より先に文が終わったりすることもありますが、これでは音を聞いてから繰り返すという原則が守れていませんね。以上のような問題は、自分のシャドーイングを録音してみるとすぐに発見することができます。

(元の音声)我其实没有明确的记得为什么开始学中文…

(自分の発声) 我其实没有明确的记得为什么开始学中文…

「音読ジョグ」トレーニングの概要

「音読ジョグ」では、まず「1頁ほどの中国語の文」(以下「中国語スクリプト」という)と「そのネイティブが音読したネイティブ音声やCDなどの音声」(以下、「ネイティブ音声」という)がセットになり、沢山の中国語スクリプトとそのネイティブ音声がセットになった教材を用意します。

「中国語独学完全マップ」では市販の東進ブックス『聴読中国語』(または『はじめよう音読』)という教材を使いますので、これを例に説明します。この教材はまさに1頁程度の中国語スクリプトとその音声が第1課〜第65課*1収録されていますが、このうちの1課ずつをベースに1つのタスクとし、トレーニングの単位と設定しましょう。例えば、第2課の内容について行う「音読ジョグ」のトレーニングをD058と呼びます。 

D058のタスクは、一つの中国語スクリプトを100回声に出して読むために、7サイクル程度繰り返してトレーニングし身体に染み込ませます(〜D121までも同様)。

知識を技術に変えるために必要なこの繰り返しの方法ををサイクル法*2といいます。このタスクの手順は以下の通りです。

まず、『聴読中国語』第2課の中国語スクリプトについて、以下のstep0〜step4の手順でトレーニングを行います。これを第1サイクルといいます。そして、2回目のトレーニング、つまり第2サイクル以降はstep1〜step4をそれぞれのstepでの量を調整しつつ行います。全部で1つの中国語スクリプトを100回声に出して読むので、だいたい5サイクルを行います。表のタスクIDの横に5つのコマがあるのは、このタスクを5回サイクルを回す必要があるという意味です。ただし、連続して行う必要はありません。D058の1サイクルが終われば、D059の第1サイクル、D060の第1サイクル、そしてD058の第2サイクルを行うなど、自由に進めましょう。

「音読ジョグ」1サイクルのトレーニングの具体的な流れ

初回(第1サイクル)のみstep0の「精読」がありますが、第2サイクル以降のサイクルはstep1からstep4までです。step1からstep4までの回数はxとなっていますが、どのような組み合わせでもいいので合計で15回以上にしてください。最初の頃は、音読を中心(10回以上)にしてリピーティングは数回、シャドーイングはなしで大丈夫です。 

■step0:数回聴いてから、音読する文を精読100%理解(15分程度)

まず音読する中国語の文(以下「中国語スクリプト」という)をネイティブが音読したネイティブ音声やCDなどの音声(以下、「ネイティブ音声」という)を1,2回聴きます。例えば、D058のタスクなら『聴読中国語』の第2課の課文が中国語スクリプトです。

まずそれを「精読」マニュアルにしたがい精読してください。重要なのは、翻訳などの訳を参考にしても構いませんが、日本語をみて「ああ、こんな意味か」といいかげんな読みで済まさないことです。文構造を完全に把握して、意味、使い方が曖昧な単語は辞書を引いて確認してください。音読では中国語スクリプトを100パーセント理解していることが前提になります。

■step1:中国語スクリプトを見ながらのリピーティング―X回

中国語スクリプトをネイティブが音読したmp3やCDなどの音声(以下、「ネイティブ音声」という)を聴き(ポーズが入った音源)、ポーズ部分で同じ聴いた中国語をそのまま繰り返していきます。この際、ネイティブ音声の中国語の発音、イントネーションをできるだけそっくり真似てください。また、単なる音にならないように口から出す中国語が頭の中で意味とイメージを結ぶように心がけます。これを5回繰り返します。

■step2:音読―X回

次にネイティブ音声を使わず、中国語スクリプトの音読を行います。既に5回のリピーティングで、音声的な残像として耳に残っているモデルの中国語の発音、イントネーションを忠実に再生するつもりで音読します。このステップは音読ジョグの“核”の部分なので、音読の間にしっかりと中国語の文を自分の中に落とし込んでください。

序盤の数回は、まだ音声面に気を取られ、中国語の文構造、意味の把握が十分でないかもしれません。回数を繰り返すうちに文構造、意味を徐々に自分のうちに落としこみ、音読が終える時は完全に理解しながら発話実感を伴った読みが実現することを目指します。中国語の文を暗記しようとする必要はありません。

文構造、意味がすんなり入ってこない文、フレーズには特に注意を払います。頭で理解できても音読のような肉体的作業でスムーズに入ってこない部分は自分の弱点です。音読ですんなり入らないものはリスニングしても聴き取れないものです。こうした個所はペースを落とし、食べ物をよく咀嚼するように読むことも行ってみるといいでしょう。こうした、「もつれ」をとくために必要にペースを落とすことはかまいませんが、15回の反復終了時には自然な音読ができるようにします。必要なフォローアップのために、反復回数を増やしてもいいでしょう。

■step3:中国語スクリプトを見ないでリピーティング―X回

再びリピーティングを行いますが、今度は中国語スクリプトを見ません。中国語スクリプトを見ながらの5回のリピーティングと15回の音読で中国語の文に十分になじんだはずです。文構造・意味の理解、発話実感を伴って、ポーズ間に滑らかに中国語を繰り返してください。音読ジョグでは、この中国語スクリプト無しのリピーティングが仕上げのステップになります。中国語スクリプト無しでリピーティングを正確に行うためには、完全な聴き取りと中国語の文の理解・消化が必要だからです。

ただ、初心者や中国語に身体で慣れていない人には、第1サイクルで中国語スクリプト無しのリピーティングを完成させるのは難しいでしょう。しばしば、立ち往生してしまったり、単語やフレーズの脱落や間違い、イントネーションの狂いなどが起こり、さらに自分ではそれに気づかないということもあります。その場合、誤った中国語を覚えてします恐れさえあります。中国語スクリプト無しのリピーティングが困難な時は、無理にやろうとせず、中国語スクリプトを見ながらのリピーティングを行ってください。中国語スクリプト無しのリピーティングの完成は第2サイクル以降で実現すれば結構です。

【注意事項】正確なリピーティングをしよう!

中国語を聴いて理解した後、ポーズの間に繰り返す時、一言一句正確にリピートしてください。だいたい同じことを言えばOKではなく、正確なリピーティングではありません。完全なリスニング能力とは、何を聴いても完璧なリピーティングができることです。こうしたフレーズごとのリピーティングができないリスニングは、実は中国語の文を完璧に聴き取り理解しているわけではなく、話の流れや、聞き取れたフレーズや単語によって意味を推し量る「推測聴き」をしているのです。推測聴き自体は必ずしも排斥されるべきものではありません。外国語の聴き取り能力が母国語並になることは至難ですから、常に発展途上にある我々は話の難度や内容によっては推測聴きに頼らざるを得ません。しかし、トレーニングとして行う場合は正確なリピーティングを心がけてください。    

■step4:シャドーイング-X回

締めくくりはシャドーイングです。ポーズ付きではないノーマルのネイティブ音声を聴いて流れてくる中国語の音声に、一瞬遅れてついていってください。不正確な母音と子音、声調の崩れや、単語・フレーズの落ち、間違いに気をつけます。

中国語スクリプト無しのリピーティングと同じくシャドーイングも初心者には難しいですから、不安定なら、中国語スクリプトを見ながらのシャドーイングか音読で代用します。

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以上が音読ジョグの、1つのタスク(一つの中国語スクリプトとネイティブ音声のセットからなるある教材等のコンテンツ)の全手順です。

1つのタスクをこの手順で終えたら次のタスクに進み、また次へと進行し、たまにもどって既に第1サイクルを終えたタスクの第2サイクルを行います。

(『聴読中国語』は65課あります。面白そうな課文だけをやったり、たまに前にやったものをサイクルでやったりと、気長に取り組みましょう)

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注意点

  • 第3〜5サイクル以降では中国語スクリプト無しのリピーティングをハイライトとして、スムーズで正確なリピーティングが反復回数の中に5回くらい含まれることを心がけます。言い換えれば、各セッションのトレーニングは、連続5回程度の安定したリピーティングめがけて行うということです。
  • ただ、まだ中国語の“使える”状態になっていない間は第5サイクルでも中国語スクリプト無しのリピーティングが難しいかもしれません。その際は気にせず中国語スクリプトを見ながらのリピーティングを行ってください。

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音読ジョグトレーニングの目標

  1. タスクの1サイクルでは20回のミニマム回数を守る。音読、シャドーイング、リピーティングどのような形式でも構いません。効果を出すには回数が絶対的に必要です。
  2. サイクルを回して合計の100回(音読、シャドーイング、リピーティング合計)反復する。20回✕5サイクルで達成できます。
  3. 中国語スクリプトの音読ジョグが仕上がったとき、ポーズ付きのネイティブ音声をかけたとき、中国語スクリプトのどの部分だろうと、完璧にリピーティングができる状態になっている。

このようにして音読ジョグを完成すると教材の中国語スクリプトの大部分を暗記してしまっているでしょう。しかし、それは結果として起こった暗記であり、副次的なことです。音読ジョグの目的は中国語の文を表層的に記憶することでなく、中国語の文を支える中国語的エッセンス(構文・文法・語彙・レトリックなど)を吸収し自分の中に沈めていくことです。ですから、一時的に暗記した中国語の文はしばらくすると忘れてしまいますが、一向に構いません。取り込んだ中国語のエッセンスは確実にあなたの内部に堆積していくからです。

※本記事の内容は、森沢洋介「英語上達完全マップ」の「音読パッケージ」を参考にしておりますが、「英語上達完全マップ」とは一切の関係はございません。中国語学習および当サイトの「中国語独学完全マップ」に位置づけて考え方や方法を参考にさせていただいております。 

*1:全ての課に1頁程度の中国語スクリプトがあるわけではありません。

*2:同じ中国語スクリプトをなんどもぐるぐると繰り返すことを、「サイクルを回す」あるいは「サイクル法」といいます。中国語を知識にとどめておかず、使える技術にするためには、一回理解しただけではなく何回も同じことを反復することが絶対に必要です。もし、これまで何年も中国語をやり、かつ成績もよい人が中国語を使いこなせないのは、この繰り返しが致命的に欠如しているからです。中国語の知識から技術へと転換させることを目的とするトレーニングはすべて反復作業を伴います。この「音読ジョグ」の他、「瞬間中作文」がその代表格です。ただひたすら「音読」する反復は、実に単調で、エネルギーを要し、かつ実りの少ない方法です。こうした場合、サイクル法を使うのが最善の方法です。まずは全文を15回ずつよんで最初のサイクルを終えます。そして、第2サイクルに入ります。それが終われば、第3サイクル、第4サイクルと繰り返し7サイクルほど回して合計回数を100回にするのです。100回という回数を分割して繰り返すことにより、単調さは大幅に軽減できるし、なにより、文を覚えるためであれ、文から構文・文法的エッセンスを吸収するためであれ、その成果が全く違います。「結局100回やらなければならないんじゃ同じことだよ。」と落胆した方は数字の圧力に負けて食わず嫌いになっているのです。実際にトレーニングを始めてみれば、サイクル法がいかにスムーズで効率的であるか実感できるでしょう。