「中国語独学完全マップ」利用者のための 【HSK対策(4級)】
この記事では、「中国語独学完全マップ」をご利用中のみなさまへ、HSK対策の方法を超具体的に説明いたします。
3ステップでご説明します。
1.「中国語独学完全マップ」とHSKの関係
当サイトは、中国語学習者のみなさまには「中国語独学完全マップ」に基づき、“使える”(会話できる)中国語力(=コア能力)を身に着けていただきたいと考えています。
「中国語独学完全マップ」では、学習の達成度を測るため中国語「コア能力」をP20まで20段階でレベル設定をしています。これらをチェックポイントにどんどん中国語力を高めていくことをおすすめしています。
しかし、学習者の中には、
- 留学のため
- 企業にアピールするため
- より認知度の高いテストで自分の能力を測りたい
などの理由でHSK等の語学検定を受験したい方もおります。
そこで、PaoChaiの中国語レベルは以下図の通り、HSKと連動させております。
これは、あくまで目安です。
コア能力というのは、中国語を“使える”力でありこの能力があれば当然、どのような語学検定にも対応できます。基礎体力や体幹の強いアスリートが、すぐに色々なスポーツに対応できるようなものです。
しかし、優れたアスリートもいきなり新しい競技はできません。一定の型を身につける必要があります。中国語も同じで、コア能力があっても語学検定の各試験の形式に慣れる必要があります。
2.HSK4級の概要
以下、HSK公式サイトより、HSK4級の概要です。
HSK4級
HSK4級は、受験生の日常中国語の応用能力を判定するテストです。
「幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションをすることができ、中国語を母語とする者と流ちょうに話すことができる」ことが求められます。
学習目安
1200語程度の常用単語と文法知識を習得している者を対象としています。
大学の第二外国語における第二年度後期履修程度の学習が目安とされています。
点数と評価
聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点で評価されます。
4級では6割(180点)以上のスコアが合格基準となっています。
試験概要
4級の試験は聞き取り、読解はマークシート方式、作文は記述式の問題となっています。
試験は、説明が中国語および日本語で行われ、聞き取りの放送は全て中国語で行われます。
試験内容
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 正誤判断の問題 | 短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた短文の内容が一致するかを判断する。 | 10題 |
第2部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。 | 15題 |
第3部分 | 会話や短文の内容に関する問題 | 2人の会話や短文と、その内容に関する1~2つの問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。 | 20題 |
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 空所補充問題 | 文中の空所部分に、4つの選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。 | 10題 |
第2部分 | 短文の並べ替え問題 | 与えられた3つの短文を並び替えて正しい文を作る。 | 10題 |
第3部分 | 文の内容に関する問題 | 短文とその内容に関する問いが与えられており、問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。 | 20題 |
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 語句の並べ替え問題 | 与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。 | 10題 |
第2部分 | 作文問題 | 写真と単語が1つずつ与えられ、その単語を使って写真の内容を表現する。 | 5題 |
- 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。
3.HSK対策 for 「中国語独学完全マップ」利用者
では、「中国語独学完全マップ」で学習をする利用者のためのHSK対策の方法を説明します。
HSK4級の場合を説明します。
まず、以下の過去問を用意してください。
基本的には、過去問の全体を4サイクル回すのですが、ポイントは以下の3点です。
- 問題を繰り返し解く
- 問題の中国語を使って「音読ジョグ」と「瞬間中作文」を繰り返す
- 新出単語をノートにまとめる
具体的にどのようにやるかは、「中国語独学完全マップ」と同様にタスクの形で整理しています。
聞き取り、読解、作文から構成されるHSK4級の問題ですが、これをそれぞれ1タスクに割り振っています。
HSK4_x_L(聞き取り) | HSK4_x_R(読解) | HSK4_x_W(作文) | |
タスク学習 | タスク学習 | タスク学習 | |
目標 | ・問題と選択肢を完全に理解し、正しい選択肢を選べるようにする。(繰り返し同じ問題をトレーニングしてOK) ・新出単語を覚える(文脈の意味の中で覚える) ・短い文章を伝わる発音で音読できるようにする |
・問題と選択肢を完全に理解し、正しい選択肢を選べるようにする。(繰り返し同じ問題をトレーニングしてOK) ・新出単語を覚える(文脈の意味の中で覚える) ・短い文章を伝わる発音で音読できるようにする |
・問題と選択肢を完全に理解し、正しい選択肢を選べるようにする。(繰り返し同じ問題をトレーニングしてOK) ・新出単語を覚える(文脈の意味の中で覚える) ・「瞬間中作文」で日本語を瞬時に中国語にできるようにする |
想定所要時間 | 60分 | 61分 | 62分 |
学習内容 | ■ 「聞き取り」パート (ア) 「聞き取り」パートの試験(30分)を実際に時間を計ってときます。 (イ) 終わったら、解答を見て正しい答えがなぜそうなるのかを理解します。 (ウ) 残りの時間、リスニングの第3部分(26-45)のスクリプトを使って「音読ジョグトレーニング」します。 最後に、リスニングの第3部分(26-45)のスクリプトの内、1分までに収まる量で適当に問題を選び(複数可能)、音読を録音しコーチに提出してください。(コーチがいない場合は、録音して自分で聴きネイティブと比較する) ※第2サイクル以降は、(ア)と(イ)は30分程度で終わらせ、音読ジョグに30分程度時間を使いましょう。 |
■ 「読解」パート (ア) 「読解」パートの試験(40分)を実際に時間を計ってときます。 (イ) 終わったら、解答を見て正しい答えがなぜそうなるのかを理解します。 (ウ) 残りの時間、読解の第3部分(65-85)の問題文を使って「音読ジョグトレーニング」します。 最後に、読解の第3部分(65-85)の問題文の内、1分までに収まる量で適当に問題を選び(複数可能)、音読を録音しコーチに提出してください。(コーチがいない場合は、録音して自分で聴きネイティブと比較する) ※第2サイクル以降は、(ア)と(イ)は30分程度で終わらせ、音読ジョグに30分程度時間を使いましょう。 |
■ 「作文」パート (ア) 「作文」パートの試験(25分)を実際に時間を計ってときます。 (イ) 終わったら、解答を見て正しい答えがなぜそうなるのかを理解します。 (ウ) 残りの時間、「瞬間中作文」をします。P04の文をマスターした場合は、HSKの短文リストで行います。 最後に、「瞬間中作文」を1分までに収まる量で適当に問題を選び(複数可能)、音読を録音しコーチに提出してください。(コーチがいない場合は、録音して自分で聴きネイティブと比較する) ※第2サイクル以降は、(ア)と(イ)は30分程度で終わらせ、「瞬間中作文」に30分程度時間を使いましょう。 |
注意事項 | 1. 単語帳を作ってください(全タスク共通)。ノートを1冊用意し、知らない単語に出会うたびに漢字、ピンイン、意味(+できれば例文も)をまとめます。 2. 解答を読んでも腑に落ちないところは、すぐにコーチに質問してください。 3. 音読ジョグで上手に読めていることが聞き取りや読解の中国語力向上に必要です。 |
1. 単語帳を作ってください(全タスク共通)。ノートを1冊用意し、知らない単語に出会うたびに漢字、ピンイン、意味(+できれば例文も)をまとめます。 2. 解答を読んでも腑に落ちないところは、すぐにコーチに質問してください。 3. 音読ジョグで上手に読めていることが聞き取りや読解の中国語力向上に必要です。 |
1. 単語帳を作ってください(全タスク共通)。ノートを1冊用意し、知らない単語に出会うたびに漢字、ピンイン、意味(+できれば例文も)をまとめます。 2. 解答を読んでも腑に落ちないところは、すぐにコーチに質問してください。 3. 音読ジョグで上手に読めていることが聞き取りや読解の中国語力向上に必要です。 |
過去問1回分で3タスク、過去問は5回分収録されているので、合計15タスク、1タスクはどれも1時間(60分)、そして全部で4サイクルやるので合計60時間の対策となります。
順番は以下を参考にしてください。迷わないための参考ですので、基本自由で問題ありません。
サイクル数(◯サイクル目) | ||||
タスクID | 1 | 2 | 3 | 4 |
HSK4_1_L | 1 | 10 | 31 | 46 |
HSK4_1_R | 2 | 11 | 32 | 47 |
HSK4_1_W | 3 | 12 | 33 | 48 |
HSK4_2_L | 4 | 13 | 34 | 49 |
HSK4_2_R | 5 | 14 | 35 | 50 |
HSK4_2_W | 6 | 15 | 36 | 51 |
HSK4_3_L | 7 | 16 | 37 | 52 |
HSK4_3_R | 8 | 17 | 38 | 53 |
HSK4_3_W | 9 | 18 | 39 | 54 |
HSK4_4_L | 19 | 25 | 40 | 55 |
HSK4_4_R | 20 | 26 | 41 | 56 |
HSK4_4_W | 21 | 27 | 42 | 57 |
HSK4_5_L | 22 | 28 | 43 | 58 |
HSK4_5_R | 23 | 29 | 44 | 59 |
HSK4_5_W | 24 | 30 | 45 | 60 |
60時間フルにやる必要はありません。「中国語独学完全マップ」で十分なコア能力(P06)が身についていれば10〜20時間程度でも合格はできるでしょう。
語学検定は合格できてしまえば、“使える”中国語への最短ルートである「中国語独学完全マップ」に戻って学習を続けましょう。
頑張ってください!加油〜