タスクID | T011 |
レベル | Lv.01 |
レベル目標 | 中国語の発音基礎について【理論】を理解し、【トレーニング】で身につけます。 (前半)→410音節表 (後半)→声調20パターン |
タスク目標 | 発音基礎(子音)の【理論】理解 |
学習形式 | タスク教材を読む |
タスク完了想定時間 /1サイクル |
60分 |
推奨サイクル数 | 1 |
タスク教材 |
①『日本人のための 中国語発音完全教本』P59-P79 ②下記「有気音と無気音」の記事 |
タスク内容 (完了条件) |
タスク教材を読み、内容を十分に理解したら完了です。 |
■学習のポイント
- 本タスクは「知識」の理解が目標です。教材の内容を腑に落ちるまで理解します(2回目以降に参照する際にすぐ理解できるようにするため)。実際の発音(技術)は、次のタスクでトレーニングします。
- 腑に落ちないところがあれば、わかるまでコーチに質問しましょう。
- タスク教材のYouTube動画と付属の音源(CD)を聞いて、「ピンイン」と「口の形と動き」「実際の音声」を対応させましょう。
■参考情報
※タスク完了条件ではないので、必要に応じて参照してください。
1.子音の知識
子音を理解するには次の3ポイントから理解しましょう。
- 発音の方法(音を出す方法)
- 使う部位(主に意識する部位)
- 舌尖(舌先)の位置(発音開始時)
ポイント1−1:発音の方法(基本5種類)
- 【破裂音】息をせき止めて破裂させる→b,p,d,t,g,k,
- 【摩擦音】息を狭い隙間に通して摩擦させる→f,h,x,sh,r,s
- 【破擦音】破裂のあと摩擦させる→j,q,zh,ch,z,c
- 【側面音】舌の両サイドから息を通す→l
- 【鼻音】鼻に息を通す→m,n
※赤字は有気音
ポイント1−2(発音の方法):有気音と無気音
ポイント1①の「破裂音」と「破擦音」はさらに、「有気音」と「無気音」の2種類に分けられれます。
一般的に中国語の発音として大々的に取り上げられますが、以下のポイントを押さえておく程度でよいでしょう。
「無気音」とは、
- 軽い破裂の後、息を吐かないようにして母音を発音します。
「有気音」とは、
- 強い破裂の後、母音の発音との間に、息を強く吐く瞬間をとってから母音を発音します。
- 口の前にティッシュを手に持ち、このティッシュが揺れるくらい息を強く出します。「無気音」ではほとんど揺れません。後述の通り、息を勢いよく発する意識よりも、息でせき止めを開放することを意識してください。
- 唇や舌が力みすぎないようにしましょう。
- 空気の流れをせき止めている部位を楽にして開放させるように息を出します。この「せき止めを突き抜けるときに生じる「音」が有気音の特徴であり中国語ネイティブが認識するところです。
子音各グループで対応する「無気音」と「有気音」はそれぞれb―p、d― t、gーk、j― q、zh― ch 、z―c です。「有気音」paは日本語の「パ」を派手に強めに発音し、「無気音」baは日本語の「バ」を力まず軽めに発音すればほぼ問題ありません。その他の「有気音」「無気音」も同じ要領で発音します。
ポイント2:使う部位(基本6グループ)
子音は21種類あり、発音のとき(ポイント1の発音の方法で)「使う部位」により以下6つのグループに分けられます。以下の括弧内の番号は下図の番号の部位を示しています。
①唇音(しんおん)b,p,m,f
b,p,mは「上唇(2)」と「下唇(21)」を使います。
-
唇を閉じ、息をせき止めて、そっと破裂する→b
- 唇を固く閉じ、息をためて激しく破裂する→p
- 唇を固く閉じ、息を鼻に抜けるように送る→m
fは「上歯(3)」と「下唇(21)」を使います。
- 上の前歯で唇を軽く押さえて、その隙間から摩擦させて息を出す→f
- 上の歯を当てる下の唇の位置は、自然に下ろすと当たる内側の粘膜あたり
②舌尖音(ぜっせんおん)d,t,n,l
「舌尖(17)」を「上歯茎(4)」につけ、息をせき止め、
- そっと破裂する→d
- 激しく破裂する→t
「舌尖(17)」を「上歯茎(4)」につけ、
- 息を鼻に抜けるように送る→n
- 舌の両サイドから息を流して出す→l
③舌根音(ぜっこんおん)g,k,h
舌の付け根「舌根(13〜14)」の部分を「上あごの後部(8)」に押し付け、息をためて、
- そっと破裂する→g
- 激しく破裂する→k
舌の付け根「舌根(13〜14)」の部分を「上あごの後部(8)」に押し付けずに近づけて、
- その隙間から摩擦させて息を送り出す→h
※hの発音の注意点
- hはg、kよりもさらに喉元奥から、口蓋垂(こうがいすい)(9)を震わせるようなイメージで、喉元を強く摩擦させます。
- hは、日本語の「フ」のように、両唇による摩擦音ではありません。唇は全く使わず、喉の奥を摩擦させます。
- 冷たい手を暖めようと両手を口元に添えて喉の奥から「ハー」と息をかけるようなイメージです。
④舌面音(ぜつめんおん)j,q,x
「舌面の前部(15〜16)」を「上あごの前部(5〜6)」に付け(舌先は「下の歯」の裏)、息をせき止め、
- そっと破擦させて出す→j
- 激しく破擦させて出す→q
※qは常識的なローマ字の読み方と異なるので注意してください。どんな母音と組み合わさっても「キ」ではなく「チ」の音で始まります。
「舌面の前部(15〜16)」を「上あごの前部(5〜6)」に近づけて、
その隙間から摩擦させて息を出す→x
⑤そり舌音(そりじたおん)zh,ch,sh
舌先(17)を(そらして)「上あごの前部、、歯茎の奥の方(5)」に支えるように当てて息をせき止め、
- そっと破擦して出す→zh
- 激しく破擦→ch
舌先(17)を(そらして)「上あごの前部、、歯茎の奥の方(5)」に(※当てずに)近づけて、
- その隙間から息を摩擦して出す→sh
- 声帯を振動させる(口の奥の方で音を出すイメージ)→r
※そり舌音は、舌を口の中で宙に浮かせ、舌先だけを「上あごの前部」辺りに当てる(zh,ch)或いは摩擦させる(sh,r)ことが重要です。これは「巻舌音」とか「捲舌(けんぜつ)音」などとも呼ばれますが、舌をそらしたり巻いたりする意識よりも、重要なことは、舌が下あごから離れている、つまり舌が宙に浮いている状態で、あり舌先だけが上についているか接していることが大切です。
※r-は、破裂もなく、摩擦もsh‐ のようにはっきりしないため、捉えにくい子音ですが、zhi、chi、shiのどれでもそのまま発音を引き延ばせば、結局riの発音になるので、改めてその音をリピートすればうまくできます。「舌尖音」liのように舌先を上歯茎につけてはいけません。
⑥舌歯音(ぜっしおん)z,c,s
歯をかみ合わせ、「舌先より少し奥(16)」を「上の前歯の裏(4)」に当て、息をせき止め、
- そっと破擦させて出す→z
- 激しく破擦させて出す→c
※cはどんな母音と組み合わさっても「力」ではなく「ツ」の音で始まります。
「舌先より少し奥(16)」を「上の前歯の裏(4)」に近づけて、
- その隙間から息を摩擦して出す→s
ポイント3:舌尖(舌先)の位置(発音開始時)
舌尖(舌先)の位置(発音開始時)
- 唇音(しんおん)b,p,m,f
- 舌尖音(ぜっせんおん)d,t,n,l
- 舌根音(ぜっこんおん)g,k,h
- 舌面音(ぜつめんおん)j,q,x
- そり舌音(そりしたおん)zh,ch,sh
- 舌歯音(ぜっしおん)z,c,s
2.役立つ参考情報
以下、YouTubeで公開されている動画を厳選しています。様々な角度から、色々な先生やネイティブの方々が独自の方法で説明しています。自分にしっくりくる説明を探してみましょう。
(1)語林:中国語発音「有気と無気、子音を出す場所を覚えよう」
「有気と無気、子音を出す場所を覚えよう」 中国語発音(ピンイン)入門講座5
「複母音のコツは口の大きさにあり」 中国語発音(ピンイン)入門講
(2)ネイティブ蘭ちゃんとChinese:中国語ピンイン子音完全マスター
(3)李姉妹CH:絶対上達する発音のコツ 子音編
(4)加藤徹先生:子音
中国語発音学習教材 3-1 / 3-2 子音の種類 / 子音の発音練習のときは後に母音をつける 連動ビデオ 加藤徹
中国語発音学習教材 3-3 無気音と有気音 boとpoの発音のしかた 連動ビデオ 加藤徹
中国語発音学習教材 3-4 中国語の子音を発音するコツ 3-5 子音の発音練習bo po mo fo / de te ne le (続く) 連動ビデオ 加藤徹
中国語発音学習教材 3-5 子音の発音練習 ge ke he / ji qi xi 連動ビデオ 加藤徹
中国語発音学習教材 3-6 / 3-7 日本人にとっての最難関の発音 捲舌音について / 三つの i 連動ビデオ 加藤徹
以上です。加油〜!