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中国語通訳から学ぶ「語速、語調、語感」〜リスニング能力から会話能力の具体的な道筋〜

語学において、聞く力はリスニング、ヒアリング、聴解、など様々な呼ばれ方がありますが、要するに、聞いて理解できる力です。

語学力の最たるものは、通訳・翻訳の能力といえるでしょう。

今回は、中国語通訳の長谷川正時さんのご著書『通訳メソッドを応用した中国語短文会話800』 でで紹介されている通訳の現場でのリスニング力、会話力についてポイントを見ていきます。

 本書では「ヒヤリング能力向上のきめて」として、語速の重要性を述べています。

ヒヤリング能力向上の最上の方法は、しっかり声を出して速読の練習を大量に行う事です。語速を速くする事で、読めるもの、言えるものは、同等の速さ以下の場合は聞き取れるようになります。

そして、さらにより包括的な会話能力の向上のためには「語速、語調、語感」の3つの訓練が大切だと述べています。

語速の訓練

言葉を速くスムーズに言う訓練です。具体的には1分間に250字の中国語の文章を読める速さが基準です。この語速がないと、中国語ネイティブの発音を余裕を持って聴き、まねする事が困難です。これができると、次の段階である語調の訓練にもスムーズに取り組めます。

話せることは、聞ける、というシンプルな仮説に基づいているようです。ここでは書かれていませんが、一定の正確性を保つことは必要な条件といえるでしょう。母音、子音、声調が誤解なく不快感なく伝わるレベルで速さを追求しましょう。

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語調の訓練

言葉の緩急、口調に気をつけてネイティブスピーカー同様の言い方(発音)が出来るようにする訓練です。つまり言葉で表情、感情をしっかり表す訓練です。…語速が基準に達すれば、発音を聞き分ける能力が芽生え、ネイティブスピーカーの語調をまねる技術的な条件が一応整うようです。

これは、よく語学で言われるように意味を理解しつつ感情を乗せて言えるようにするということです。

示唆に富むのは、語調をまねるのは、語速が一定レベル(250字/分)に達してからということです。初心者でいきなり、語調をまねようとして不自然な発音をしてしまうことがありますが、これは高度な発話力が必要なことだと自覚し、まずは正確に速く読めるようにしなくてはいけません。

語感とは

実際の会話の中で養われる言葉に対する感覚、理解で、言葉が相手に与える感じ、言葉が持っているニュアンス、響きです。外国語学習の場合はネイティブスピーカーの録音を聴いて、語速、語調の訓練を真剣にやり、同一の表現が異なる場面でどう使われるかに注意していく中で、徐々に養えます。これは、会話学習の1つの到達点でもあります。

語速、語調のさらに先にある到達点のようです。なかなか言語化できないようなネイティブならではの感覚のようなものでしょう。

最後に、著者は会話能力のために必要なこととして次のように述べています。

日本語で話すように中国語を話すためには、ネイティブスピーカーの声を聴き、声を出して速読訓練を行い、語速を速くし、頭の中に漢字、発音、声調が浮かばなくなるまで訓練しなければなりません。

話す、聞くをまとめた会話能力について、その指標について「語速」を軸に学習を考えていることがよくわかりました。

一般的に「聞く」というリスニング能力はできているのか、成長しているのか自分ではわかりにくいものです。中国語通訳の現場では、これを正確に話せる速度を指標に鍛えているようです。さらには、より包括的な会話能力にもまずは語速が鍵になるようです。